アイルランドでご馳走を食べたかったら、晩でも、朝ごはんをオーダーすると良い・・・などとちょっと皮肉をこめて言われるアイリッシュ・ブレックファースト。
フル・アイリッシュ・ブレックファーストは、ベーコンとソーセージ、目玉焼き(ここまではイングリッシュブレックファーストと同じ)に、ホワイトプディングとブラックプディングがつくのがアイルランド風。焼きトマトやマッシュルームがつくことも多いです。
プディングというのは、お菓子ではなく、内臓に穀物やスパイスを加えて腸詰めにしたもので、ブラックは血入りな為、少しクセがあるかもしれません。
アイリッシュの主食はポテト、つまりジャガイモです。
アイルランドのイモはホクホクで実に美味しいので、ぜひ味わってください。
ゆでたりローストしたりマッシュしたりフライにしたり・・・形を変えて食卓を彩ります。
アイルランドにジャガイモがもたらされたのは16世紀。
やせた土地でも育つジャガイモはすぐ国中に広まりました。
小麦などの作物を地代として地主に納めなくてはならなかった小作農にとって、ジャガイモは貴重な食糧源となりました。
19世紀半ば、歴史に刻まれた大飢饉がアイルランドを襲います。ジャガイモがブライトという病気(カビの一種)で全滅したのです。貧しい小作民たちは他に食べられるものがありませんでした。豊作の小麦はすべて英国の不在地主に送られ、川で鮭を獲ろうものなら、すぐに逮捕されて島流し(オーストラリアに送られた)となったからです。
ほぼ10年にわたって続いた飢饉により、餓死または病死した物は100万人に上り、200万人もの人が新天地を求めて移民しました。
1997年、英国のトニーブレア首相は、この飢饉の犠牲者を悼む追悼集会において、当時の英国政府の責任を認め、謝罪の手紙を読み上げています。100年以上の時を経て、英国政府要人からの初めての謝罪となりました。